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2005.05.22 Sun
光の南寺

きのうの日記では書きませんでしたが、
夜にベネッセハウスに行きました。

「美術館には夜がよく似合ふ。」

夜の静寂、外の闇を感じつつ、鑑賞できる贅沢な時間。
ほんとうに誰もいなくて、監視するひともいなくて、
ひとの気配が全くなくて、わたしの知覚と作品だけが、ここにはあるのです。
美術ライブラリもあるのです。至福の読書があるのです。至福の時があるのです。

この世の図書館と美術館は、せめて夜9時まで、やってくれればいいのにね。

ということで、昨日は終わり、今日。
今日は「町プロジェクト」の見学。
直島のもうひとつのタレルを感じるために。

ジェームズ・タレル
「バックサイド・オブ・ザ・ムーン」は、
すでにない寺「南寺」の跡地の
安藤忠雄の手による建築物の中に
設置されています。

杉の焼板でおおわれた深黒の建物は、
古い町におごそかに存在し、
かつてあった信仰を感じさせます。

そして係りの方から説明を受け、
木が香る真黒な建物の内部へ。

#ここからは、作品の説明も含みます。行きたい人は読まないほうがいいかも 完全な闇。静寂。
壁をつたい、感覚のみで、内へ内へと。
視覚を奪われることによって、
距離感が失われ、
外部である空間が、
身体の内部に侵食するような、
そんな不安感がわたしを襲う。

ふたつのかどを曲がると、
脚にベンチを感じ、
さらに壁沿いを進んで、
最も奥に座る。

じっと闇を見つめていると、
身体がうずく。
手の指先をそっと動かし、
足先をピンと伸ばし、
関節を曲げ、肩をまわし、
身体がそこにあることを確認する。
グッと力を入れたり、
だらりと脱力したり、
身体のもつ機能を確認する。
そして耳が、
わたしの鼓動をとらえ、
まわりのかすかな音をとらえ、
耳の奥から音が沸き出すような感覚を覚える。

突然、ほんとうに突然、
前方にぼんやりと白いものが浮かぶ。
ほのかな四角いスクリーンのように見える。

そして、わたしはゆっくりと、
そのぼんやりとした光に向かって歩く。
目に見えるぎりぎりの光を頼りに、
この暗闇の世界をゆっくりと歩く。

目で光をみすえ、
足が地を踏み、
手で風を生み、
身体をまっすぐに保ち、
しっかりと歩む。

そして、
白い光に触れようとした、
その刹那、
光の正体がわかる。

目からぽとりと
透明な液体がこぼれ、
わたしは微笑む。

世界の鼓動が、
聞こえたような気がした。
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【アンナの日記】

ホロコーストの時代に生きたアンネ・フランクにこの日記は関係ないけれどいつか訪れたいアウシュビッツの風景を記録として記憶として鮮明に残せるよう日常を少しづつ撮影してみたり文章を書いてみたり

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